■先週は
「上司のスピーチ力」第7話として
1)事前準備
2)当日準備
3)登壇中
4)終了後
の3)登壇中に、私が普段どんな工夫をしているか
≪魅力ある話し方・伝え方≫
と題してお伝えしました。
今週はその続きとして、
その他のことをお伝えします。
■私は講演や研修は、呼吸が大切だと考えています。
呼吸といっても
空気を吸ったり吐いたりする呼吸のことではありません。
あくまで登壇をしている講師と受講生のやり取りの比喩ですが、
人は、空気を吸ってばかりいると苦しくなります。
吐いてばかりいても苦しくなります。
同じように、受講生側から見ると、
人の話というのは聞いてばかりいると苦しくなります。
これは、講師は吐き続け、
受講生は吸ってばかりいる状態ですね。
話してばかりいても苦しくなります。
これは、講師は吸っている状態、
受講生は吐いてばかりいる状態ですね。
どちらの状態も、長く続くとお互いに苦しくなります。
ですから、大切なことは、
一定の間をおいて、
お互いに吸ったり吐いたりする状態が必要なのです。
■わかりやすい例を一つお話ししましょう。
例えば、あなたが何か良くないことをやらかして、
上司に文句を言われている状態を想像してください。
あなたは、その文句を聞き続けている状態です。
はじめのうちは、
よくないことをしたという反省から
ちゃんと話を聞いていますが、
あまりにもそれが長すぎると、
聞いているようで聞いていない「聞いたふり」に変わり、
そのうち話を聞いていること自体に飽きてきて
話に麻痺してきて
ぼーっとした状態になってしまいます。
これは、あなたは空気でいうと
吸い続けている状態なので苦しくなり、
集中力にかけてしまっている状態です
■もし、その上司が文句を言いながらも、
「ここまでのところで自分なりの意見を聞かせて」
「こんな状態になっていたらその時どう対処した」
など、ところどころ、
あなたにしゃべらせるような場面があったらどうでしょう。
これは、あなたは空気でいうと吐き出すことができる状態、
要するに、上司の話を聞いて空気を吸っている状態から、
自分が話すときは空気を吐き出している状態なので
呼吸が楽になります。
吸って吐いて、吸って吐いて、を繰り返すことができるので
集中力も持続しますし、話に対する「飽き」も防げます。
■では、実際の登壇中にどんな工夫をしたらいいのでしょうか。
スペースの関係で細かくはお伝えできませんが、
受講生に
・ペアワークで振り返りを挟む
・ディスカッションを挟む
・ゲームを取り入れる
・手を上げさせる
・体を動かす簡単なワークを挟む
・質問をして答えさせる
・個人ワークで書いた答えをペアワークでシェアしてもらう
など、小細工を使いながら工夫をするのです。
■受講生の中には、
寝たり、飽きてしまったりする人がいます。
でも、それは寝てしまったり、飽きてしまった受講生が悪いのではなく、
寝るような、飽きるような、研修や講演をする講師の工夫が足りないだけなのです。
いろいろな小細工を取り入れながら、
講師も受講生もお互いに苦しくならない登壇のアレンジをしてください。