■先週は
「上司の『スピーチ力』アップ講座」第9話として
1)事前準備
2)当日準備
3)登壇中
4)終了後
の3)登壇中に関して
≪受講生が6000人だろうが一人に向かって話す≫
と題してお伝えしました。
今週はその続きで、私の苦い経験からの学びである
≪主催者からのクレームに「えっ!」と絶句(驚)≫
をテーマに「事前の情報収集」についてお伝えします。
私がこの教育の仕事を始めて間もないころ
12年前になりますが、
ある営業のコンサル会社から
クライアント様の営業マンを集めての講演会の依頼を受けました。
営業マン、営業マネージャー、営業会社の経営と
営業畑を歩んできた私にとっては得意分野だったので
喜んで引き受けて、当日を迎えました。
講演が始まり、受講生の反応も良く、
私も楽しく、気持ちよくやらせていただきました。
正直、「きまった!!」と
出来栄えよくお届けできた自己満足に浸っていました。
講演終了後、依頼主と応接室で話をすると、
思いもよらぬ話をされて唖然!ビックリ!驚き!
「いや~嶋津さん、ああいう話をしてほしかったわけじゃないんですよね~」
とクレームを付けられてしまったのです。
「えっ!」と絶句(驚)
受講生の満足度も高く、私自身の満足度も高かったので、
「嶋津さん、素晴らしい講演をありがとうございました」
くらいのことを言われるのかとばかり思っていたので、
ビックリというか唖然というか、
今でも覚えていますが、
受講生が満足しているのに「何が悪かったんだ!!」と
ショックと怒りを覚えながら駅までの道を歩きました。
この時、私はこの仕事をしていくにあたって、
大切なことを知ったのです。
それは、「満足」を提供すべき人が受講生以外にいることを。
それが「主催者」です。
当時は、受講生を満足させることがすべてだと思っていたので、
「受講生が満足しているんだから何が悪いんだ」
と思っていました。
しかし、いくら受講生にとって満足度の高い、いい内容でも
主催者の意図と外れるとダメなんだということを知ったのです。
この事件がきっかけで、
講演や研修の前には必ず、
「基本情報シート」
というものを主催者に作成していただくようにしました。
主催者との「ズレ」を生まないよう細かく情報をいただくようにし、
受講生と主催者の満足度を上げるための工夫をするようになりました。
さすがにそれ以来、はずすことはなくなり、
いい勉強をさせてもらいました。
あなたも、社外、社内、部下など
いろいろな方に話をする機会があると思います。
ぜひ、話を聞く側に立って満足度の高い学びを提供することはもちろんですが、
その間に、主催をした人や部署や取引先があった場合は、
ぜひ、その人たちの意図も忘れずにくみ取って
受講生、主催者、自分の「三方よし」で頑張ってください。