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人は「上司」になるとバカになる!?

『人は「上司」になるとバカになる』

これは、「のどぼと過ぎれば・・・・」というやつで、

人は、自分が上司になって

部下だったころやられて

嫌だったこと、辛かったこと、困ったことなどを、

忘れたかのように自分の部下にやってしまう上司を

揶揄した言葉です。

 

なぜ、そうなってしまうのか?

私は学者ではないので、

あくまで経験値として聞いてほしいのですが、

「ものまね細胞」と「役割認識」

そして「経験値の浅さ」から来るのではないかと思っています。

 

どういうことか説明しますと、

人と人の関係には「影響の連鎖」という作用が働き、

多かれ少なかれ周りの影響を受けて生きて行きます。

自分が部下として厳しく育てられた人は、

自分の部下にも厳しくする傾向があり、

逆に、厳しく育てられたことがイヤだった経験から、

そうしないという人もいます。

 

子供の虐待も一説によると、

虐待を受けた苦い経験があるにもかかわらず

自分のこどもにも虐待をしてしまう親の割合は3割、

自分が虐待を受けたことがイヤだったので、

自分のこどもには

そうしないと心掛けて子育てをしている人が7割だそうです。

 

親に「勉強しろ、勉強しろ」と言われたことがイヤだったにもかかわらず、

自分が親になったら同じように自分のこどもにも言ってしまう人、

逆に言われたことがイヤだったから

自分のこどもには言わないようにしている人もいます。

 

どれにしても、

多かれ少なかれ影響を受けた結果であることは間違いないわけです。

 

この影響の連鎖により学んだことを、

今度は「役割認識」によって、

上司とはこうあるべきだ、

親とはこうあるべきだという、

役割に対する「あるべき論」によって、

自分を躾けようとするのです。

昇格した途端、

急に「ボス」のように偉そうに振る舞う人は珍しくありません。

スタンフォード大学の社会心理学者フィリップ・ジンバルドー氏が

1971年に行った「監獄実験」がそれを物語っています。

看守役と囚人役に分けた学生の言動を観察したもので、

当初は単なる実験で演じていただけなのに、

次第に看守役の学生は強権的になり、

囚人役の学生を厳しく威圧するようになりました。

つまり、人は役割を与えられると

それに性格や言動を合わせようとする性質があるということです。

 

そして、「経験値の浅さ」が

この二つを助長していくのです。

リーダーとして経験が浅い人は、

どのようにリーダーシップを発揮していいのかわからない。

だから人は、「影響の連鎖」によって、

自分がどのように育てられたかを参考にして、

試行錯誤しながらも立ち振る舞いを始める。

それを役割認識によって、

その立ち振る舞いをしている自分が、

いつの間にかリーダーとしての自分自身の姿になっていくということです。

 

ですから、この傾向は、

経験値の浅いリーダーや、

仮に経験値はあっても、

リーダーとしての自分がうまく機能していない人に

起こりやすいと思っています。

 

失礼な言い方にはなりますが、

自分自身が、

上司になってバカになっていないか、

セルフチェックをしてみてください。