仕事で成長するためには、この
『振り返る力』
はとても重要だと考えています。
人材育成の分野では
『リフレクション』
などと言ったりもします。
私は「自分の強みは?」
と質問をされるといくつか答えることがあります。
その一つが、この『振り返る力』です。
例えば、講演や研修が終わると、
いつも呆然として頭の中を
行ったばかりの講演や研修が
頭の中をぐるぐるぐるぐると回っています。
「ここはこうすべきだったな・・・・」
「ここは今回こうだったけど次回はこうやろう・・・・」
「なんであんな状況になってしまったのかな・・・・」
「あの時の受講生の反応は何だったんだろう・・・・」
「あの瞬間から受講生は前のめりになっていたな・・・・」
「今回のオープニングは少し長すぎたな・・・・」
「時間が足りなくなってしまったのは何が悪かったのだろう・・・・」
など。
そして、必要があればすぐにカフェに入ったり、
出張先の場合は帰りの新幹線や飛行機の中で、
スライドやワークシート、講師マニュアルを修正します。
ですから、私が主催しているリーダーズアカデミーで、
もう何年も再受講をしてくださったいる受講生の方には、
「毎年違った講義を受けている気がします」
と言われるほどブラッシュアップしていきます。
コルブの経験学習サイクルというものがあります。
これは「経験→省察→概念化→実践」という4段階により構成され、
このサイクルを繰り返すことによって、
人は学び、成長していくとされています。
この『省察→概念化』に当たるものが、
『振り返る力』ですね。
そこで、私はこの
『振り返る力』を養うために、
要するに社員の成長を促すために、
日報をお勧めしています。
その日報の中に、
「経験→省察→概念化→実践」
を盛り込んでしまい、
強制的に振り返りをする仕組みを設けるのです。
その日の仕事を振り返って
・何時から何時まで、どんな仕事をしたのかを時間割表に記載する
・どんな場面でどんな反省が生まれたのか?
・そこから、どんな学習をしたのか?(教訓の引き出し)
・今後、何をどう変えていく必要があるのか?
など。
人は経験に向き合うことを苦痛に感じたり、
仕事が忙しいなどの理由によって、
振り返る時間を設けられていないケースがあります。
とくに不本意な結果となった経験の場合、
見たくないものを見ないようにすると
毎回同じ行動(失敗)を繰り返すことになります。
また振り返るときに、
毎回同じ視点や価値観で物事をとらえると、
新しい気づきは生まれません。
だから、強制的にでもしっかり振り返る仕組みとして日報は有効です。
ハーバード・ビジネススクールの調査によれば、
毎日15分間の「振り返り=日誌を書くこと」をする人は、
しない人よりも、仕事でのパフォーマンスが
22%良くなったというデータがあります
またこの調査によると、
ただ単に「考えているだけ」では、
考えは体系化されにくく、
勘違いや(自分に都合の良い)思い込みが起きやすく、
それを文字にすることで、
自分にとって何が役に立つのかを特定しやすくなるとのことです。
ぜひ試してみてください。
あなたの会社は社員の成長を促進するために、
しっかり振り返る時間を設けていますか?
同じ失敗を繰り返さない仕組みはありますか?