社長であるあなたは、毎日何の業務に、
どのくらいの時間を使っていますか?
少し考えてみて下さい。
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なぜ、このようなことを質問したかというと、
多くの社長が間違った時間の使い方をしているからです。
こういった質問をすると営業や事業開発、
財務のことなどに多くの時間を割いていると答える方が多いです。
極端な話、
「営業に90%時間を使っています」
と回答する社長もいるくらいです。
たしかに、営業や事業開発など、
会社経営において大切ではあります。
しかし、
長期的に成長し続ける会社の社長は
皆あることに多くの時間を割いています。
このことに時間をかけている会社の社長は、
たいていの場合、上手くいっています。
それは何か。
ということをお伝えする前に、
次の事例を見てください。
電力事業や航空・ヘルスケア事業を営む世界的な企業、
GE(ゼネラル・エレクトリック・カンパニー)の例です。
1878年にエジソンが創業したGEは、
時代の変化に対応しながら持続的な成長を続け、
常に世界時価総額ランキングに上位ランクインしている企業です。
そんなGEの前最高経営責任者ジェフリー・イメルト氏は、
毎週金曜日の夜は必ず、将来の時期リーダー候補250人の中の1人と、
1対1で夕食を共にしていたといいます。
250人全員と会食するためには
5年以上の月日がかかりましたが、
それを行ったおかげで、
イメルト氏の頭には、
「彼はどのような経験をしてきたのか」
「どういう仕事が得意なのか」
「人間性はどうなのか」
といった情報が常にインプットされていました。
そのためGEでは、
「この新規プロジェクトは、かつて○○の事業を
立ち上げて成功させた経験のある彼に任せよう」
「このプロジェクトの後任は、
○○における経験値の高い彼に任せよう」
など、常に短時間で最適な人的配置が行えました。
このことは元会長のジャック・ウェルチ氏が
トップを務めていた時代からのやり方を踏襲したもので、
これが、GEが長期的な成長を続ける大きな要因のひとつでしょう。
つまり、会社を持続的に成長させるためには、
自社の「人的資源」を最大限に活用することが重要で、
経営トップが人事に相当な時間を費やさなければならない、
ということを示しています。
このことはマッキンゼーの日本支社長を経て、
現在ではビジネス・ブレークスルー大学の学長を務める
経営コンサルタントの大前研一氏も
「基本的に経営陣と管理職は、
最低でも自分の時間の20%を人事のために使うべきだ」
と話しているとおり、
会社を持続的に成長させていくためには、
人事を人事部長など他人任せにすることなく、
社長自らが力を入れないといけないのです。
あなたは、自社の社員1人1人、特に時期リーダー候補について、
以下のようなことを把握していますでしょうか?
・これまでどの部署でどんな仕事をし、どのような成果を出した社員なのか
・これまで上司、部下との関係は良好だったのか
・今後、どのような仕事に携わりたいと思っていて、
そのためにどんなスキルを身につけようとしている社員なのか
もし、これらのことを把握していないのであれば、
会社を持続的に成長させるために今からでも良いので、
人事に社長自ら力を注ぎましょう。
そうすれば、自ずと最適な人的配置ができるようになるでしょうし、
その結果として、各部署やチームの力の底上げや、5年、10年と
長期的に成長し続ける強い会社作りが可能になるのです。