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アマゾンの影響を受けない書店の独自戦略とは?

アマゾンの台頭により、

店舗を持つ書店で

本が売れなくなると言われはじめてから、

しばらく経ちました。

実際、売れ行きが低迷し、

閉店を余儀なくされた

書店も少なくありません。

しかし、全ての書店において

そのような状況かと言うと

そうではありません。

アマゾンが台頭する中でも

ユニークな戦略で生き残っている

書店があります。

というわけで、

今回は好調な書店の

ユニークな戦略について

見ていこうと思います。

 

まずはアメリカの事例。

アメリカでは、2011年、

アマゾンの急速な普及などの影響で、

当時、書店チェーン2位だった

「ボーダーズ」が破綻に追い込まれる

事象まで起こりました。

そんな中、

独立系書店「ブックス・インク」は、

市場の低迷の影響を大きく受けず、

好調を維持し続けています。

好調の要因は、

「本屋をその地域のコミュニティセンターにする」

というコンセプト。

このコンセプトの通り、

彼らは、地域に役に立つ書店に

なることに徹底的にこだわっています。

ブックスでは、

店舗ごとに書籍の品ぞろえが異なります。

なぜなら、各店舗の仕入れ担当者が、

地域の図書館や学校などに出向いて

様々な人と話し、

どんな本が地域コミュニティーで

必要とされているのかを把握したうえで

店舗に置く書籍を決めるからです。

また、各種イベント開催にも

積極的に取り組んでいます。

著者によるサイン会や

朗読会だけでなく、

学校の先生に話を聞き、

子どもたちが読みたがる

本を集めて販売する

ブックフェアもとても好評です。

この他にも、ブックスでは、

年間に1500を超える様々なイベントを

開催しています。

このように、

人が週に3回、4回と

訪れる「仕組み」を作ることで、

書籍の売上を増やすことに

成功しているのです。

 

日本にも面白いコンセプトを持つ

書店があります。

例えば、

一万円選書で有名な

「いわた書店」です。

一万円選書とは、

「忙しくって本屋にいけない・・・」

「最近同じような本ばかりで新しい出会いがない・・・」

など、という悩みをお持ちの方のため、

社長の岩田氏が

お薦めの本(一万円分)を厳選して、

お届けするサービスです。

お客様ひとりひとりの

好みを把握した上で選書するため、

とても満足度の高い

サービスとなっています。

現在は、申込多数により、

受付停止になるほど

人気なのだそうです。

 

また、ビール片手に本を選べる

「B&B」もユニークです。

店内には、アンティークな

本棚、机、照明の他に、

ビールサーバーを備えた

バーカウンターがあります。

ビール片手に、

お店のスタッフらが選書した

オススメ本を楽しむことができるのです。

また店内では毎日、

トークイベントも行われており、

著者がゲストとして登場し、

本の制作にあたっての裏話や、

本に込めた思いなどを話してくれます。

こうして、訪れるお客さんは、

新たな本や著者と出会い、

自身の興味を広げていくことができます。

本好きにとっては、

たまらない場所ですよね。

 

その他にも、

実際に本は販売していませんが、

泊れる本屋というコンセプトで有名な

「BOOK AND BED TOKYO」や、

江戸時代の

和本・古地図・浮世絵・版画など

専門に取り扱う「大屋書房」など、

面白い書店がたくさんあります。

 

ここまで見てきたように、

市場低迷が叫ばれながらも、

アマゾンには提供することのできない

「本屋ならではの付加価値」

を持つことで、

安定的な経営を実現させている書店は、

少なくありません。

このように、

市場が低迷している時だからこそ、

過去にとらわれない

戦略やコンセプトを考え、

戦い方を変える必要があります。

 

もし、市場の低迷をきっかけに、

あなたの会社が独自のサービスを

生み出せたとしたら、

これから、何十年と続く老舗企業へと

繁栄していく可能性が高まるはずです。

ぜひ、この機会に、

あなたの会社にしか提供できない

「尖ったコンセプト」

を考えてみて下さい。