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会社は誰のものか?

「会社は誰のものか?」

これは商法上の資本の論理で言ったら間違いなく株主のものです。

では、

「株主のために汗水たらして働け」

と言ったら従業員は納得するでしょうか?

するわけがありません。

同じように株主さえ満足できればお客様がどうでも良いという訳がありません。

 

私はセミナーで

「企業の最大のミッションは企業価値の極大化だ」

とお伝えしています。

『企業価値』とは

株主価値×従業員価値×顧客価値

の3つの価値によって形成されます。

ここで、間が+(プラス)ではなく×(掛ける)であるところに注目してください。

もし間が+(プラス)であれば、

株主価値が100で最高に良く、

その他の価値がもし0でも企業価値は100になります。

しかし、実際の経営はそうではありません。

どの価値が欠けても企業価値は上がらない大切なものです。

この3つの価値を

「時期」と「状況」と「規模」

に応じてバランスよくハイレベルに保っていくことが

『企業価値』の極大化に繋がります。

 

例えば、

起業したての頃は社長が100%株主であることが多いでしょう。

この場合、

株主価値は低く抑えても、

従業員価値や顧客価値を高めていく工夫が必要になります。

また、第3者の株主が入ってきたり上場会社にでもなれば、

今度は株主価値を軽視していては経営能力を疑われます。

そのように、時期と状況と規模を勘案し、

3つの価値をその時できうる限りのハイレベルで

バランスを取りながら企業価値を最大化していくことが必要なのです。

要するに、企業を変化させていくと言うことですね。

 

以前新聞に上場企業の新任取締役にアンケートをしたところ、

株主より従業員の利益を重視する傾向があることが分かったそうです。

これは調査開始以来初めてだそうですが、

私は少し複雑なものを感じます。

資本の論理で言ったら会社は株主のものです。

未上場ならまだしも、

上場企業の役員になろうと言う方が株主価値より従業員価値を重んじると言うのは、

額面通り受け取るといささか疑問を感じざるを得ません。

ただ、その株主に配当や株価の上昇などで貢献するために何が必要なのかというと、

もちろん利益です。

では、利益を会社にもたらしてくれるのは誰か?

もちろんお客様です。

では、お客様と会社のパイプ役として頑張ってくれるのは誰か?

これは従業員です。

ですから、株主を大切にするからこそまずは従業員の幸せが優先だという

行動の優先順位でいえば正しいので、

私はこの結果をそのように解釈しています。

 

会社は誰のものか?

要するに、会社が従業員を大切にし、

従業員がお客様を大切にし、

その結果として株主が潤う。

そういうことではないでしょうか。

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