私の友人で、
部下指導に関して私が一目置いている
素晴らしい人がいます。
今日は、その方が、
昔ある部下に対して行った指導をご紹介しましょう。
(以下友人をA、その部下をBと表現します)
AさんがBマネージャーの部下指導に関して
かなり問題を感じていました。
Bマネージャーの部下からは
Aさんの指導方法に関する
不平・不満も多く入ってくるようになり、
どうしたものかと困っていました。
AさんがBマネージャーにいろいろ指導を施すものの、
本人にはそれなりの考えや信念があるらしく、
Bマネージャーはなかなか分かった振りをして
自分のマネジメントの仕方を変えようとはしませんでした。
そこでAさんは荒療治をすることを決意しました。
何をしたかというと、
Bマネージャーが部下にしていることと
同じ指導・同じ接し方を、
何も言わずにBマネージャーへ続けたのです。
すると1週間位経つとBマネージャーから
「最近Aさんの自分への接し方に不満がある」
と言ってきたそうです。
そこでAさんは
「この1週間、お前への接し方は誰かのマネをしたんだけど分かるか?」
と問いかけました。
それでもBさんは分からなかったため、Aさんは
「お前が部下に対してやっていることと同じことを俺がお前にやったんだ」
と言ったら、Bさんは愕然としたそうです。
その後、二人はよく話し合い、
Bマネージャーの部下への指導が
翌日からガラリと変わったそうです。
体験や経験をしないと分からないこと、
言葉だけでは分からないことってたくさんありますよね。
このケースですとAさんは
・Bマネージャーに悪気があったわけではないこと、
・何が悪いのかが言葉ではよく分かっていなかったこと
を理解し、荒療治でしたが体で体験させたと言う事例です。
このマネジメントにはいくつかポイントがあります。
まず、上司であるAさんが部下であるBさんを信頼していなければ、
こういった荒療治はできなかったでしょう。
また、BマネージャーもAさんを信頼していなければ、
こういったやり方には反発しか感じなかったでしょう。
そう考えると、
いかに普段からの信頼関係の構築が必要かと
つくづく感じる出来事でした。
その後、AさんとBマネージャーは更に関係が深まり、
家族ぐるみの付き合いになっていきました。
BマネージャーはAさんの「愛」を感じた結果でしょう。
あなたなら、言うことを聞かず、
対処に困る部下にどう対処しますか?
どう対処するにしても
「信頼関係」があるかないかによって
結果は随分と変わってくるのではないでしょうか。