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起業時の父との約束

私は28歳の時に起業しました。

いくら上場企業で営業部長を務めていたとはいえ、

辞めてしまえばタダの人ですから、

そんな若造に信頼も信用もありません。

 

事務所を借りる時もお金を借りる時も取引する時も、

何をするにしても二言目には

【保証人は?】

と言われてしまいました。

 

あげくの果てにサラリーマンの頃は

「ぜひカードを作ってください」

と頼まれて、仕方なく作ったものでしたが、

退職して起業後にクレジットカードが作れなかった時には、

世間の厳しさを、まざまざとしらしめられました。

 

その中で、

「お金」も「コネ」も「人脈」もない私にとっての頼りは

父の社会的信用だけでした。

困り果てて父に相談をしに行ったとき、

次の【三つ】のことを言われたのを今でも忘れません。

 

一つ目は、

「親子なのでお前の保証人になるのは構わない。

しかし、自分の退職金でまかなえる範囲が限度だ」

ということでした。

これは、それ以上の責任は

いくら父親でも持てないということでした。

 

二つ目は、

「絶対に他人の保証人になるな」

と言うことです。

これは、

「他人の保証人になって人生狂わせた人をたくさん見てきた。

友人だ、家族だ、親戚だのと情に流されての結果だが、

最悪のことを考えて、保証できない金額は絶対にやめろ。

ただし、大人になれば仕方ない時もある。

その時は、保証金額は自分で背負った時に

人生狂わさないかよく考えろ」

ということでした。

 

そして三つ目は、

「貸した金は返ってこないものだと思って貸せ」

と言うことです。

これは、

「些細なお金でも貸したお金を返してもらえなかった

ことにより、人の感情はネガティブに働く。

でも、最初から返ってこないと思って貸して、

返ってこなかった場合は勉強料であり、

そういうヤツには二度と貸さなければいい。

お金の切れ目が縁の切れ目になる場合も多々ある。

お金にだらしないヤツは仕事もだらしない。

大切な人を失わないための防御策だ。」

と言われました。

 

私はその3つを守ることを約束し、

必要な時はいつも父に保証人になってもらい、

何とかやりくりをしました。

その後、「一つ目」の問題はなくなりましたが、

それ以外は、今でもは肝に銘じて生きています。

保証人やお金の件を頼まれ断る時は

存在が近ければ近いほど心苦しいですが、

私は人生の教訓にしています。

でも、ほとんどの人は事情は理解してくれるので、

それによって関係がおかしくなることはありません。

逆に、それによって関係がおかしくなる関係こそが

ある意味違和感のある関係なのではないでしょうか。

 

起業を考えている方、起業間もない方は、

ぜひ背負っているものの大きさをよく考えて、

自分の身の振り方は考えてください。