私が会社員時代お世話になった会社は、
当時飛ぶ鳥も落とす勢いで伸びていました。
とにかく人が足りない、教える人がいない、
ですから、私もプレイヤーとして少しはがんばっていたので、
25歳の若さにして50人程度の部下を持ち、
四苦八苦しながらもやらせてもらっていました。
戦略とかマネジメントとか、
教わった経験もなければ、やった事もなく、
そんなことはさっぱりわからず、
ただただパワーマネジメントで、
無理くり部下を動かしていたようなところがありました。
若気の至りですが(汗)
そんな時、当時の専務から、
私のそんなマネジメントを見かねたのか、
その方はこう話してくれました。
『嶋津君、成果を出す方程式は知っているかい?
それは、
成果=【能力+人格】から【能力×人格】へ変わるんだ。
若いうちの成果は能力があれば、
真ん中が「+」だから、
仮に人格がたいしてことなくても成果は出る。
でも、人は偉くなればなるほど、
歳をとればとるほど真ん中が「×」に変わっていくんだ。
だから、人は偉くなればなるほど、歳をとればとるほど、
いくら能力があっても、人格がないと成果が出にくくなる。
今は若いからいいが、
これからどんどん勉強をして「人間力」を磨きなさい』
その時は私もまだ25歳の若造だったので、
分かったような分からなかったような感じだったのですが、
実績を上げて、調子に乗っていた私に対する苦言だったのでしょう。
今ではそのことがよく分かります。
先週金曜日のメールマガジンで、
京セラ名誉会長の稲盛和夫さんの
「会社は、社長の器以上でも器以下でもない。
社長の器そのものだ」
という言葉を借りて、
「いい人材が取れない・人が辞める会社の本当の理由」は
「この人のもとで働きたい」
と思えるような社長の魅力がないからだとお伝えをしました。
会社だけではなく、課や部も一緒ですよね。
課は課長の器そのもの、
部は部長の器そのもの、
事業部は事業部長の器そのものなのです。
ぜひ、自分の人間力をもう一度点検してみてください。