「伸びる企業は顧客志向の強い企業だ。
顧客満足の最大化に真剣に取り組んでいる」
とはよく聞く台詞ですが、
これに関して面白い裏話があります。
日経新聞が、東証1部上場企業を対象とした調査を行いました。
結果を見ると、企業理念、社是、社訓の中に、
「顧客志向」「顧客重視」に関する文言が入っているケースが、
全体の90%を占めていたということです。
それでは、
「顧客満足を最大化するための具体的手段や方法を、
肝心の現場に落とし込んで実行に移している会社は?」
という追跡調査をしたら、
なんと10%にすぎませんでした。
この場合、90%と10%との差の80%のことを、
英語では「リップサービス」と呼び、
日本語では「おためごかし」と言います。
建て前と現実との格差は、かくも大きいですね。
当然ながら、伸びる企業は10%の部類です。
「勝ち組企業」と「負け組企業」との基本的な違いは、
「本物の顧客満足」を実行しているか否かに尽きます。
ある有名なコンサルタント会社の方が
「顧客満足を実践されている会社かどうかは、
会議中にお客様から電話がかかってきた時に分かる」
と言っていました。
その時に、
「急いでいないようであれば、
適当に言って掛け直すと言ってくれ」
というような会社は、
顧客満足など絵に描いた餅の会社だということです。
但し、ここで、胸に刻んでおく必要があるのは
「顧客満足を実現する当事者は、社員である」
という事実です。
そもそも、社員自身の満足度がお粗末な中で、
顧客満足を高めるという命題が成立する筈がありません。
「物心両面で満足度の高い社員集団を作る事」
伸びる企業創りの原点はここにあるのではないでしょうか。