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優秀な社長こそ、売上拡大のチャンスを逃している

日本人は

色々なことをやりたがる

という特徴があります。

「自分のやりたいことが分からない」と、

自分探しの旅に出る若い方々もいますが、

それもやりたいことが多いが故だったりするそうです。

要するに、私たちは

集中力を投下することが苦手な人種なのです。

 

これは、ビジネスの世界でも

例外ではありません。

 

特に、あなたが、

企業の社長であるならば、

なおさらでしょう。

人より優秀で、

次々と良いアイデアが浮かぶし、

浮かんだアイデアをしっかりと

形に出来てしまうのですから。

 

しかし、あなたの

この人並外れた器用さが

悪い方向に働くことも少なくないはずです。

例えば、

アイデアが浮かぶあまり、

様々な事業が生まれてしまった結果、

その全てが中途半端になってしまっている・・・

というようなことです。

このような企業は、

時間を“投資”しているつもりでも、

実際は“浪費”になっていたりしますので、

注意が必要です。

私たちには、

新しいものに目を向ける

習性が備わっていますので、

意識的に封じていくしかありません。

 

ここで、

事業を多角化せず、

選択と集中をした結果

多大なリターンを得た企業の例を

ご紹介しましょう。

 

まずは、

国内最大の電気機器メーカーである

日立製作所の例です。

日立製作所は、

バブル崩壊により業績が悪化し、

その後2008年のリーマンショックにより、

過去最大の損失を計上しました。

 

しかし、ここから

徹底的な選択と集中を行い、

回復を果たしました。

 

具体的には、

新興国企業の台頭により、

赤字が続いていた家電事業から撤退した一方、

今後の伸びが期待できる

情報通信やインフラ事業といった

企業向けビジネスに特化する方針を取りました。

 

この戦略が

功を奏しました。

 

利益の少ない事業を、

徹底的に切り捨てることで、

3年後には過去最高額を計上し、

経営のV字回復を果たしたのです。

しかも、日立製作所は、

それほど厳しいリストラは行わずに

この回復を遂げたのでした。

 

続いての例は、

日本の大手製薬会社である

武田薬品工業です。

同社はかつて、医薬品だけではなく、

動物薬事業、ビタミンバルク事業、化成品事業、

食品事業、農薬事業、生活環境事業など、

多くの事業を抱えていました。

経営は比較的好調でしたが、

会社の体力があるうちに事業構造の転換を図ろうと、

1995~2000年の中期経営計画で「医薬品特化」の経営方針を打ち出しました。

その結果、医薬品以外の事業は、

他企業へと売却されることになりました。

 

非医薬品事業の売却先には、

いずれも日本の各分野の

トップ企業を選びました。

ウレタン関連事業は三井化学、

調味料などの食品事業はキリンビール、

農薬事業は住友化学にという具合にです。

 

また、いきなり全てを売却するのではなく、

5年程度の期限付きのジョイントベンチャーを組み、

緩やかに譲渡するやり方を取りました。

これは、雇用条件の違う企業に

転籍する社員らに配慮してのことでした。

こうしたプロセスを経て、

06年、武田薬品の非医薬品事業の売却は

すべて完了しました。

 

この大きな決断により

武田薬品は更なる発展を遂げました。

 

このような例を見て、

どのように感じたでしょうか。

「経営者の仕事は、新しい事業の柱を開拓することだ」

という反発意見も出るかもしれません。

確かに、

そのような一面もあるでしょう。

 

しかし、経営者の仕事として、

それ以上に大切なことは、

撤退する決断をすることなのです。

 

特に現在黒字の事業などは、

撤退するのが難しいかもしれません。

 

しかし、

その事業をやめることで、

浮いた資金と時間を有力な事業へと

投下できたらいかがでしょうか。

これまでの5倍、

いや、10倍以上の成果も

期待できるのではないでしょうか。

 

ぜひあなたも、

会社の収益を5倍、10倍と伸ばすにはどうすべきか

という視点に立ってみて下さい。

そうすることで、

・伸ばすべき事業

・撤退すべき事業

の決断が容易にできるようになり、

会社繁栄のヒントが次々と見つかることでしょう。