■傾聴とは、人の話をただ聞くのではなく、
注意を払って、より深く、丁寧に耳を傾けること。
自分の聞きたいことを聞くのではなく、
相手が話したいこと、伝えたいことを、
受容的・共感的な態度で真摯に“聴く”行為や技法を指す。
■『聴く』とは、
「耳」+「目」+「心」の3つで聞く行為。
・言葉以外の行動に注意を向け、理解する(姿勢、しぐさ、表情、声の調子など)。
・言葉によるメッセージに最後まで耳を傾け、理解する。
・言葉の背後にある感情も受け止め、共感を示す。
■「傾聴」がなぜ必要なのか?
傾聴とは、一言でいうと、
相手のエネルギーを引き出す行為。
傾聴の目的は、相手を理解することにある。
それにより、話し手が自分自身に対する理解を深め、
納得のいく判断や結論に到達し、
建設的な行動がとれるようサポートすることができる。
■ほとんどの人は相手の話を理解しようとして聞くのではなく、
その話に”答えよう”あるいは“言い返そう”として
『話を聞いている振り』をしている(自分で気づいていない)。
人は放っておくと二つの状態でコミュニケーションを取っていると言われている。
1)話している状態
2)話す準備をしてる状態(内なる声と会話してしまう)
相手の話を本当に聞いている第3の状態がないのだ。
■なぜリーダーは部下の話が聞けないのか?
多くのリーダーは自分と違う意見が出てくると
「だからさあ・・・・」
「いやそうじゃなくて・・・・」
「それはだな・・・・」
「いや・・・・」
「でも」・・・・・
などとすぐに、自分の話を始めてしまう。
否定や反論をして、部下の話を遮ってしまう。
部下の話は大したことがなくて、
自分のほうが優れていると思っている。
心のどこかで自分が『正』と考えてしまい、
そんな『正』である自分に従わせようとする。
だから、どうしても自分の話ばかりしてしまう。
要するに、部下の話を聞くのが面倒くさいのだ。
■表の目標(部下の話を聞きたい)と、
裏の目標(優れた上司と思われたい)、
要するに、
「上司は部下よりも優れているべき」
というメンタルモデル(固定観念)の問題が根本にある。
ここを変えない限り、同じ問題が繰り返される。
リーダーたちの言い分
「最後まで聞かなくても分かる」
「どうせいつもと同じような話に決まっている」
「経験的にどんな問題が発生しているのか想像がつく」
「単なる言い訳だろ」など。
そんなリーダーたちが言うように、
時には部下の話を最後まで聞かなくても、
状況が把握できることもある。
それだけ経験もあり、
能力もある人だからリーダーになっているので、
状況の把握どころか、
対応策まで瞬時に考えついているかもしれない。
話の内容は聞くまでもないことだとしても、
「最後まで聞いてくれる」
と部下に思ってもらうことも大切。
そんな小さな積み重ねが、信頼関係を築く。
来週へつづく・・・・・・・・