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評価制度導入で押さえておきたい6つの注意点

1)人事考課エラー

人間が感情の生き物である限り、

人が人を評価することには「限界」がある。

感情があるから、

全てをロジックで貫き通すことは

現実的に難しい。

自分としては人事制度を

理解したつもりでも、

間違いや思い違いなどは誰にでも起きる。

また人間には、

好き嫌いがあって当然である。

だから、考課者は

そうした限界のあることを十分に認識し、

それを最小化していくことが求められる。

それには、

「人事考課エラー」についての

理解を深めることがとても重要。

 

2)良い評価制度の実現には評価者訓練が必要

評価制度をスムーズに運営するため、

評価者の「評価者訓練」を

適正かつ効果的に行っている企業はあまり多くない。

評価する立場にある人たちが

十分なトレーニングを受けず、

評価制度の基本となる事項を

理解しないまま評価に当たると、

逆に制度自体が害になりかねない。

評価者訓練実施のポイントとしては、

1.どういう評価エラーがあるかを理解する。

2.評価対象とすべき行動の範囲の採りあげ方を理解する。

3.上司として必要な「部下を観察する目」を養う。

4.評価結果を、どう部下指導のポイントとするかを理解する。

といった点が挙げられる。

 

3)フィードバックなき評価制度は無意味

評価をやりっぱなしでいると、

評価制度自体がどんなに公正だったとしても、

評価される側である

社員の納得や理解が得られなければ

モチベーションは低下し、

評価制度自体が意味をなさなくなる。

そこで重要になってくるのが

査定結果のフィードバックだ。

フィードバックの実施時期については、

1年に1度、半年に1度、

4半期に1度或いは毎月といったように

各社ばらばらだが、

あまり頻度が多いと準備が大変になり、

面接の内容も希薄になる可能性もあるので、

これからフィードバックを

実施しようという会社は、

賞与の時期を目安にするのも

一つのいいきっかけになる。

また、フィードバックを実施する者は、

フィードバックを受ける

社員の圧迫感を避けるためにも、

直属の上司が1対1で行なうのが理想。

実際に面接の場においては、

単純に評価の数値を伝えるのではなく、

どんな行動が評価され、

今後成長するために

どのような行動をしたらよいかを一緒に考え、

もし今後の仕事をしていく上での

阻害要因があればそれを聞き出し対処するようにする。

 

4)昇格基準と降格基準を設定する

昇格制度では、

職務等級(役職)ごとに

必要な能力を定義づけ、

また、昇格に必要な基準を定義づけした

「昇格基準」を設定する。

しかし、一度昇格・昇給したら

そこからは下がらないという既得権のある決まりでは、

万一体制の見直しが行われた場合、

総人件費は上がる一方になる。

それを避けるために、

降格基準の設定も行なう必要がある。

降給・降格には特に要注意する必要があり、

評価制度にしたがって降任・降格する。

評価制度を活用して降給する場合、

評価制度の職務毎の

しっかりとした定義づけと運用がなされており、

就業規則が整備され、

周知が行き届いている限りは、

その職能評価によって給与の上げ下げが可能となる。

ただし、降格をすることは、

労働契約の変更となるので、

労働者の同意及び就業規則に

根拠となる規定があることが必要。

 

5)制度の効果的運用は社員への説明・周知が大事

新しい制度を設ける場合は

就業規則の変更にあたるため、

制度の趣旨、内容を書面にまとめ、

「後で見ておいてください」ではなく、

可能な限り時間をとって社員への説明会を実施する。

どんな素晴らしい制度でも

事前の十分な説明がないと

社員にうまく伝わらず、

運用がうまくいかなくなる可能性がある。

特に昇格・昇給、降給・降格の各制度は、

スタートしてからの運用が大事。

評価基準の公平性の意思統一、

降格制度の周知、

基準にあった賃金への移行期間など

時間をかけておこなうこともあり、

必要に応じて方向修正ができるよう、

見直し期間を設定し運用していくことが大切。

 

6)評価制度と連動した「教育訓練」制度を構築する

経営側としては

従業員ひとりひとりの生産性向上、

ひいては企業としての収益性アップが主目的ではあるが、

もちろんそれだけでは

肝心の従業員自身のモチベーションが上がらない。

全ての従業員が

それぞれの個性や適性を発揮しつつ、

キャリアアップを図れるような

教育制度を構築しなければならないが、

そのためにはしっかりとした評価制度があることが前提。

この教育を受ければ

どのようなコースに進めるのか。

また、希望するコースに進むためには

どの教育を受けなければならないのか。

といった点を明確にしておくことで、

従業員のモチベーションアップにもつなげることができる。

優れた教育制度の構築は、

しっかりとした評価制度があってはじめて可能になる。

 

来週から

「情報共有と生産性」を

お伝えします。。