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若手社員があなたを信頼する瞬間とは

「うちの若手は、どうもダメでね・・・」

先日、ある会社の管理職の方が

こんなことを言っていました。

 

聞くところによると、

その方の部下である若手社員が、

まったく育たなくて悩んでいるのだとか。

詳しく聞いてみると、

周囲の状況に気が回らず、

仕事の指示をされないと、ボーっとしているだけの、

「我関せず」という態度だ、とのことでした。

 

私のところには、

こういった若手をどうしたら良いかというような

相談が来ることもしばしばあるのですが、

このような場合、大抵は、

若手社員の質だけの問題ではない

ということが多いです。

 

つまり、

社長やリーダー側が、

若手社員の良さを引き出せる環境を

用意できていないことに原因がある、ということです。

 

2009年にグーグルが、

1万人以上の社員を対象に実施した

調査結果から導きだした

「その人がいたほうが組織全体のパフォーマンスが高まる上司像」

があります。

 

この調査で導き出された

理想の上司像は、以下のようなものでした。

1.専門知識を持った良いコーチである

2.チームを勢いづけ、マイクロマネジメントをしない

3.部下が健康で過ごし、成果を挙げることに関心を払う

4.生産的かつ成果主義である

5.チームの良き聞き手であり、コミュニケーションを活発に取る

6.部下のキャリア形成を手助けする

7.明確なビジョンと戦略を持つ

8.チームにアドバイスできる技術的な専門知識を持つ

 

あなたは、この8項目のうち、

部下のためにできていることは、

どの程度ありますでしょうか。

 

特に、多くのリーダーがやりがちな過ち。

それが2番目の、

「マイクロマネジメント」です。

 

結果を出せる優秀な方であればあるほど、

こうでなければならないという理念があり、

「マイクロマネジメント」にて

部下に押し付けてしまいがちなのですが、

それではチームとしてあなた以上の成果を出すことはできません。

 

 

いずれにせよ、

この調査結果から分かるのは、

理想の上司というのは、

「自身が高いパフォーマンスを発揮する人」というよりは、

「部下が最大の成果を挙げるための場作りができる人」だということです。

 

成果を出しやすい環境があれば、

部下は自ずと考え、行動し、

次々と成果をあげていくものです。

 

 

では、成果を出しやすい環境というのは、

どうすれば作ることができるのでしょうか。

 

 

その好例として、私の知人に、

こんな取り組みをしている人がいます。

 

彼は多くの部下を抱える部署の

リーダーとして日々忙しく働いていますが、

その部署に新しく人が配属されると必ず、

たっぷりと時間を取って、1対1の面談をするのだそうです。

それは、従業員だけではなく、

アルバイトの方が入った時も

同様のことを行うそうです。

 

 

そこで彼が

何をするのかと言うと・・・

新しく部下となった部下の

これまでの人生について

深く聞くのだそうです。

 

どんな所で生まれ、

どんな家庭環境のもとで育ち、

どんな人と関わり、

どんなことに打ち込んで、

どんな人を尊敬し、

どんな価値観を大切にしているか、

など、

とにかく深くその人の

これまでの歴史を理解するよう、

話を聞くのだそうです。

もちろん、

部下からこれだけの話を引き出すためには、

彼自身が、それ以上に自己開示する必要があるでしょう。

 

彼は、自身の恥ずかしい話や、

とてもかっこ悪い失敗談も、

積極的に話すよう心掛けているそう。

 

言ってしまえば、

雑談にも近いかもしれません。

 

 

しかし、それをすることで、

彼は部署に属する全員の

適性を理解することができ、

個々の特徴に合わせて、

成果を出しやすい環境や仕事の振り方、

指導方法を導くことが出来ます。

その結果、彼の部署では、

部下が皆、それぞれの役割を理解し、

モチベーション高く仕事に取り組むことが出来ています。

その証拠として、

彼の部署では、毎年のように、

過去最高売上を更新しているのです。

 

 

さらに、

部下との信頼関係が

うまく築けているのならば、

彼らの考え方を大きく飛躍させる

問いかけを多くすることも良い方法です。

 

例えば、

若手社員からアイデアが出たとき、

実現可能性が高い部分だけで議論するのでなく、

「予算や納期などの制限がなかったら何をする?」

「10倍のリソースがあったらどうする?」

など、最大限に

可能性を広げるような問いかけをするのです。

 

部下との信頼関係があれば、

部下はあなたに対して、

自身の野心を素直に語ってくれます。

 

そうすることで、

あなたのチームは、

あなた自身のアイデアに

依存しなくなります。

会社、部署全体から、

様々なアイデアが飛び交い

あなたの元に集まってくるようになるでしょう。

 

このように、

あなたが社内で率先して、

部下が、自分の考えを発信し、

実現に向けて動きやすい環境作りをしていくことにより、

部署や会社全体に活気が生まれます。

このような

環境作りが出来る人は、

とても稀です。

 

あなたが、意識的に、

部下が自発的に動く環境作りをしていけば

会社の業績は、右肩上がりになります。

その結果、自ずと、

あなたの評価もうなぎ上りになり、

出世のスピードも加速していくことでしょう。