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【会員限定】優良企業はすぐに撤退する≪経営のヒント(9)≫

近年、アメリカで、

年次評価が従業員たちの

パフォーマンス向上に有益ではない

という見方が広まっています。

その流れで、

年次評価制度を廃止する

アメリカ企業が次々と増えています。

 

その廃止の代わりに

どんな評価制度が導入されているかというと、

以下のようなものです。

・年単位ではなく、即時に目標設定とフィードバックを実施

・全社目標を個人に割り振るのではなく、個々人が主体的に目標を設定

・画一的なマネジメントではなく、一人ひとりの強みの発揮を重視

・社員間の競争ではなく、コラボレーションを重要視

 

GE、マイクロソフトといった

巨大なグローバル企業は、

このような変革をいち早く遂行しています。

 

一方、日本企業はどうでしょうか。

 

日本企業の多くは、

年次評価を採用しています。

 

この制度のもと、

うまく経営がなされているならば

特に問題はありません。

しかし、日本企業において、

目標管理や評価制度の運用が

うまくいっていると耳にすることは、

残念ながら、ほとんどありません。

 

社員からすれば、

適当な評価がなされていなければ、

当然、モチベーションが低下しやすくなります。

そのような状態が続けば、

会社全体として大きく生産性が

下がることが懸念されます。

 

また、

目標管理や評価制度に関する

ある調査を見ると、

多くの企業が、

その運用に、問題点を

抱えていることが分かります。

なんと、回答者の約半数が、

「目標管理の面談が実施されなかったり、形式的になっていたりする」

「評価面談では業績評価の理由の説明や改善点の指摘が大部分を占める」

と、回答しているのです。 

 

これは、上司から部下に対して

常時、的確な助言がされていないことを

意味しています。

面談がないということは、

適切な評価がされないということですから、

これはまた、部下のやる気の低下を招くでしょう。

 

こんな状況の中、

日本企業の多くが、

意味のない年次評価を続けるのは、

危機感がないと言わざるを得ません。

 

これは、評価制度だけに

限った話ではありませんが、

優良企業とそれ以外の企業の差は、

撤退、廃止を決めるスピードにあります。

 

決断の遅れが命取りになった企業の、

恐ろしい例を紹介しましょう。

 

バブル期の絶好機に、

日本のある企業が

リゾート開発をスタートさせました。

しかし、あるタイミングで、

大量のヒトやモノ、カネを投入し

大々的に広告を打っていた影響で、

投資額を回収できない可能性が出てきました。

さらにしばらくすると、

「このまま開発を続けたらやばい・・・」と、

経営陣の誰もが認識するようになりました。

 

誰もが一刻も早く撤退すべき

と分かっていましたが、

結局、彼らは多額の投資額を惜しみ、

撤退を決断できませんでした。

 

 

そのまま、ずるずると

開発を続けていたところ、

あのバブル崩壊です・・・。

その後、

さすがにまずいということで、

撤退を決断したときには、

すでに、赤字額は3,000億円にまで

膨れ上がっていました・・・・

この例からも分かるように、

先へ進む勇気も大事なのですが、

それ以上に、撤退する勇気が大事です。

 

優良企業と言われる企業は、

共通して撤退を決断するまでの

スピードが速いのです。

 

では、なぜ優良企業は、

年次制度の例にもあったように、

素早く撤退の決断をすることができるのでしょうか。

 

それは、

基準が明確だからです。

 

いつまでに、

どの数字をクリアしていなければいかないか。

もし達成できなければ、

どのような改善をしていくのか。

どのラインは、

撤退を決断するタイミングなのか。

など、実施前から、

全てが明確に定められているのです。

 

何かの施策を打つ際に、

10回中1回成功すれば良い

などと言われる理由はここにあります。

これが出来るのは、

うまくいかない時の撤退の決断を早め、

痛手を負わない仕組みがあるからです。

だからこそ、

当たった時には大きく

お金を投じて、伸ばしていくことが出来るのです。

 

あなたの会社では

何かを始めるとき、

撤退の条件を細かく設定していますか?

 

もし、していないとしたら、

今すぐ設定するべきです。

 

これをすることで、

あなたの会社から、何となく継続する

制度や施策がなくなります。

 

そればかりか、

あらゆるPDCAを

高速で回せるようになるため、

無駄な投資が減り、

有効な施策だけが残るようになります。

結果として、

最小の投資額で、

最大の売上を得ることが出来るのです。